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2017

√n法則とノック

 「生命とは何か」(シュレーディンガー著、岩波文庫)という本が紹介された。その中に、「原子はなぜそんなに小さいのか?」という部分がある。これは、「我々(生物)の身体は原子に比べてどうしてそんなに大きいのか」と読み換えることができる。

 原子の大きさは、直径1〜2オングストローム(100億分の1メートル)で、生物と比べるととても小さい。逆に原子からすれば、人間は巨大だ。因みに、生命体の最も小さい単位である細胞は、30~40万オングストロームであり、1個の細胞は30万~40万個の原子からできていることになる。

 また、原子は自由気まま、ランダムな動きをする。それはブラウン運動や拡散と呼ばれるものである。原子の代わりに、空中に漂っている塵か何かの微粒子を想像してみよう。それらを空中にばらまいた時、その微粒子たちは勝手気ままに飛び回りながらも最終的には重力にしたがって落ちていく。しかし、その途中途中を見てみると、重力に逆らって上昇する動きをする例外的な微粒子も存在する。

 平均的には落下していく微粒子から離れて、例外的な動きをする微粒子の数は、統計学的に決まっていると言われている。それが√n法則(平方根の法則)である。

 例えば、100個の粒子があれば√100、つまり10個程度の粒子が例外的な動きをする。10パーセントの誤差率である。100個の原子からできた生物がいるとすると、そのうちの10個は常に例外的な動きをし10パーセントの誤差率で生命維持にとって不確かな動きをすることになる。これは生命維持に致命的な精度といえる。一方、100万個の原子からなる生物であれば、√1000000、つまり1000個の原子が例外的な動きをし、誤差率は0.1%まで下がることになる。つまり、nが大きいほど誤差率が小さくなる。生物の体が原子に比べて巨大なのは、生命体を維持するためには誤差率を少なくしなければならないため、生物の身体は大きいのである。

 この話をバドミントンのノックと繋げるとどうなるだろうか。n=ノックの本数、√n=ミスの数とすると、誤差率(ミスをする確率)を求めることができる。nの母体を大きくすればするほど、誤差率が低くなるということだ。(√nは統計学的な問題なので、生物と無生物との違いは難しく、また異なるが、法則に当てはめて考えることとする。) つまりは、自分の打つ球が甘いと思った時に、どれだけの数を打つかということよりも、どのくらいの精度を求めているのかを自分で考えることが重要である。ショットの精度を上げる、運動の精度を高める、誤差率をどこまで下げるかを考えれば、ノックの本数が自ずと決まってくるのである。ノック練習のベースにあるものである。

 このように一見すると関係のないようなことでも、よく考えてみるとバドミントンに繋がっている。バドミントンを学ぶ心の神髄が禅僧、良寛和尚の詩にあったりもする。こうした話を含め先生が私たちに教えてくださっていることは、先生自身が阿部一佳先生から教わり、学んだことだそうだ。先生はそれを私たちに伝えてくださっている。そして私たちに繋がってほしいと考えている。物事のこうした見方、捉え方、考え方が、今後下級生にどう伝えられるかどうかは私たち次第である。

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